ついに発売!胃薬「パリエットS」

OTC医薬品

皆さん「パリエット」というお薬を聞いたことはありますか?

あまり聞き馴染みはないかもしれません。。

しかし、この「パリエット」という胃薬が市販(薬剤師のいる薬局・ドラッグストア)で購入できるようになり、薬剤師的にはとてもインパクトのあるニュースとなっています。

「胃がもたれる…」「胃がきりきりする…」といった症状に新しい選択肢が増えました。

「この胃薬は今までの胃薬と何が違うのか?」「どのような点が他の薬に比べて優れているのか?」

など気になるところを一緒に見ていきましょう!

「パリエットS」は発売が待ち望まれていたお薬だよ💡

メーカーHPより引用

「パリエットs」とは?

有効成分:ラベプラゾール

含量:10㎎

効能・効果:胃痛、胸やけ、もたれ

服用回数:1日1回

年齢:15歳以上

医薬品分類:要指導医薬品

「ラベプラゾール」が胃酸分泌の最終段階である「プロトンポンプ」を阻害し、胃酸分泌を抑え効果を発揮します。

「プロトンポンプ」に作用し、胃酸分泌を抑えるお薬を「PPI(Proton Pnmp Inhibitor:プロトンポンプ阻害薬)」と言います。

「PPI」に分類される医薬品がOTC医薬品として販売されるのは国内で初になります。

医薬品分類は「要指導医薬品」となりますので、ドラッグストアや薬局にて薬剤師による対面販売となります。使用者ご本人様での購入が必要になりますのでご注意ください。

特徴は?

この「PPI」というお薬は、消化性潰瘍ガイドラインにおいても胃潰瘍治療の際の第一選択薬として位置づけられています。

それだけ効果の高いお薬がドラッグストアや薬局で購入できるようになった!

ということで我々薬剤師たちも興味津々となっています。

医療用「パリエット錠」との違いは?

「パリエット」とは医療用医薬品として処方されている胃薬です。

市販薬の名称が「パリエットS」となっています。

医療用と異なる点は、効能・効果、規格(医療用は5㎎、10㎎、20㎎がある)、服用期間が大きな違いとして挙げられます。

OTC医薬品の「パリエットS」は「他のプロトンポンプ阻害薬の使用期間も合わせて2週間を超えて続けて服用しないこと」、となっています。これは重大な消化器疾患を見逃す恐れがあることに起因します。医療用では医師の診断に基づき服用期間が指示されます。

「他のプロトンポンプ阻害薬」??

「他のプロトンポンプ阻害薬の使用期間も合わせて2週間を超えて続けて服用しないこと」

と記載がありますが、他のプロトンポンプ阻害薬とはどんなものがあるのか?

表にまとめると、

医療用医薬品名成分名
タケプロンランソプラゾール
オメプラールオメプラゾール
ネキシウムエソメプラゾール
タケキャブボノプラザン

これらのお薬を服用している方は注意が必要です。

OTC医薬品「ガスターS」と比べると?

【ガスターS】シリーズがよく分からない方はこちらをご参考にしてください

↓↓↓↓↓

ガスターSの有効成分は「ファモチジン」です。

「ファモチジン」は「ヒスタミンH2拮抗薬(H2RA)」というグループに分類されます。このH2RAも胃酸の分泌を抑えることで胃の症状を抑えます。

ラベプラゾールを含む「PPI」は、「H2受容体拮抗薬(H2RA)」よりも効果が高いとされています。

消化性潰瘍ガイドラインによると、

メタアナルシスではH2RAよりPPIのほうが優位に潰瘍治癒率が高いと報告されている。

と記載されています。

【用法の違い】

  • ガスターS:1日2回まで。服用後8時間以上たっても症状が治まらない場合は、もう1錠服用可。(「この薬は決められた時間ごとに服用する薬ではなく、症状が出た時に服用する薬です。」と説明文書に記載あり。)
  • パリエットS:1日1回。同じ時間帯に服用。

【服用可能年齢】

  • ガスター10S:小児(15歳以上)及び高齢者(80歳未満)
  • パリエットS:15歳以上

【剤型】

  • ガスターS:錠、口腔内崩壊錠(水なしで飲める錠剤)、散
  • パリエットS:

【値段】

  • ガスターS:税込1,078円(6錠)、税込1,738円(12錠)
  • パリエットS:税込1,683円(6錠)

  • ガスターSは症状発現時のみの服用
  • ガスターSは高齢者(80歳以上)の服用不可
  • ガスターSは色々な剤型があり、自分にあった剤型を選択可能
  • パリエットSは280.5円/錠、ガスターSは144.8円/錠

あとがき

いかがでしたでしょうか??

とても良いお薬であることが分かると思います。

「PPI」がOTC可されたのは初です。今後とも注意事項、用法などを守り適正使用をしていくことがOTC医薬品発展の基盤になりますので、ご使用の際には適正使用をお願いします。

とても良いお薬だよ💡
注意事項を守って服用しようね。

 

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