新しいベンザブロック！「プレミアムDX」！　～現役薬剤師KSPYによるお薬情報発信～

今年も風邪シーズンが到来です！

風邪薬で有名なベンザブロックシリーズに新しいお薬が追加されました！

「今までのベンザブロックとは何が違うのか？」「いろいろなベンザブロックがあるけどどれを選べばいいのか？」

様々な疑問があるかと思いますので、一つ一つ見ていきましょう！

自分の症状に合った「ベンザ」を探していきましょう💡

そもそも「風邪」とは？？
市販で購入できるかぜ薬
ベンザブロック　プレミアムDX
ベンザブロックS　プレミアムDX：鼻からのかぜに
ベンザブロックL　プレミアムDX：のどからのかぜに
ベンザブロックIP　プレミアムDX：熱からのかぜ
ベンザブロックT　プレミアムDX：せきからのかぜ
症状以外での選択方法
あとがき

そもそも「風邪」とは？？

「風邪」とは「かぜ症候群」と言われるもので、自然に治る比較的軽症の急性上気道炎とされています。

原因となるのは「細菌」ではなく、「ウイルス」であるという点もポイントです。

普段はあまり意識することもないかと思いますが、ウイルス性か細菌性かによって対応が異なってきます。細菌性の可能性が高い場合は、医療機関を受診し、検査・治療を行うことが重要です。

細菌感染症とウイルス感染症の違い

細菌感染症ウイルス感染症
部位原則として感染した局所にとどまる多部位にまたがる症状を呈し得る
発熱期間ほとんど３日以上多くは３日未満

「発熱が３日以上続く場合は細菌性を疑って評価が必要」
書籍「デキる医療者になるための　症状対応ベスト・プラクティス」より引用

	細菌感染症	ウイルス感染症
部位	原則として感染した局所にとどまる	多部位にまたがる症状を呈し得る
発熱期間	ほとんど３日以上	多くは３日未満

とまとめられています。

ウイルス性では「多部位にまたがる症状を呈し得る」とあり、「鼻水」「のどの痛み」「咳」の３つがあれば典型的な風邪となります。

また、病院を受診した際に「抗生物質」を処方されることがあると思います。処方医がウイルス性と判断する場合は、風邪のウイルスに効果がある抗生剤はありませんので、症状にあわせたお薬のみ処方されることが多いです。

「鼻水」「のどの痛み」「咳」がポイントだよ💡

市販で購入できるかぜ薬

ひとえに「かぜ薬」と言っても多くのメーカーが販売しています。

「鼻水」「のどの痛み」「咳」それぞれの症状に特化したものなど、ドラッグストアに入るとたくさんの商品が並んでいます。

商品の数は多いのですが、実は含まれている成分については大きな違いはありません。

主に販売されている総合感冒薬は、

解熱・鎮痛
鎮咳
鼻水の薬（抗ヒスタミン薬、抗コリン薬）
去痰
ビタミン

からなっているものがほとんどです。商品によっては漢方薬が配合されていたり、特徴をつけているものもあります。

どの症状が強いかで選択する商品が変わってきます。

ベンザブロック　プレミアムDX

ここから今回の「ベンザブロック　プレミアムDX」についてです。

「プレミアムDX」には4種類販売されています。

ベンザブロックS：鼻からかぜ
ベンザブロックL：のどからのかぜ
ベンザブロックIP：熱からのかぜ
ベンザブロックT：せきからのかぜ

と紹介されていますね。

ここからは４種類それぞれを細かく見ていきましょう。

ベンザブロックS　プレミアムDX：鼻からのかぜに

【有効成分】

アセトミノフェン（900㎎）：解熱鎮痛
d-クロルフェニラミンマレイン（3.5㎎）：鼻水
プソイドエフェドリン（135㎎）：鼻づまり
ベラドンナ総アルカロイド（0.3㎎）：鼻水
デキストロメトルファン臭化水素酸塩（48㎎）：鎮咳
ブロムヘキシン（12㎎）：去痰
トラネキサム酸（420㎎）：抗炎症
無水カフェイン（75㎎）：中枢神経興奮
ビタミンB2（リボフラビン：12㎎）：ビタミン

【効能・効果】
かぜの諸症状（鼻水、鼻づまり、のどの痛み、くしゃみ、せき、たん、悪寒（発熱による寒気）、発熱、頭痛、間接の痛み、筋肉の痛み）の緩和

【用法・用量】

1回2錠
1日3回

【年齢】

15歳以上

【医薬品分類】

指定第2⃣類医薬品

【してはいけないこと】

次の人は服用しないこと
次の症状のある人。前立腺肥大による排尿困難
次の診断を受けた人。高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病
服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと
（眠気や目のかすみ、異常なまぶしさ等の症状があらわれることがある）

こちらは鼻症状に特化した商品ですね。
鼻水を止める成分が2種「d-クロルフェニラミンマレイン」「ベラドンナ総アルカロイド」、鼻づまりに効果のある成分「プソイドエフェドリン」が配合されています。

そのほかにも咳の成分「デキストロメトルファン」や、のどの炎症を抑える成分「トラネキサム酸」を配合しており、バランスの良い処方内容となっています。

鼻の成分が多いので「眠気」や「口の乾き」が出やすい処方内容でもあるかと思います。
特に、「機械操作・車の運転はしないこと」となっていますので注意が必要です。

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ベンザブロックL　プレミアムDX：のどからのかぜに

【有効成分】

イブプロフェン（600㎎）：解熱鎮痛
トラネキサム酸（750㎎）：抗炎症
d-クロルフェニラミンマレイン（3.5㎎）：鼻水
プソイドエフェドリン（135㎎）：鼻づまり
デキストロメトルファン臭化水素酸塩（48㎎）：鎮咳
ブロムヘキシン（12㎎）：去痰
グアイフェネシン（250㎎）：去痰
無水カフェイン（75㎎）：中枢神経興奮

【用法・用量】

1回2錠
1日3回

【年齢】

15歳以上

【医薬品分類】

指定第2⃣類医薬品

【してはいけないこと】

次の人は服用しないこと
出産予定日12週以内の妊婦
次の症状のある人。前立腺肥大による排尿困難
次の診断を受けた人。高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病
服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと
（眠気等があらわれることがある）

こちらは「のど」に特化したベンザブロック。
とはいっても去痰薬が2種「グアイフェネシン」「ブロムヘキシン」配合されており、鎮咳薬も「デキストロメトルファン」が配合されているため、咳にもよく効く処方内容という印象です。

のどに特化している点は、解熱鎮痛成分に「イブプロフェン」を採用していること、のどの炎症をとる「トラネキサム酸」の含有量が「750㎎」と高用量になっていることが挙げられます。

「イブプロフェン」を配合していることにより、「出産予定日12週以内の妊婦」は服用できないこととなっているため注意が必要です。

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ベンザブロックIP　プレミアムDX：熱からのかぜ

【有効成分】

イブプロフェン（360㎎）：解熱鎮痛
アセトアミノフェン（180㎎）：解熱鎮痛
メキタジン（4㎎）：鼻水
dl-メチルエフェドリン（60㎎）：気管支拡張
デキストロメトルファン臭化水素酸塩（48㎎）：鎮咳
グリチルリチン酸（39㎎）：抗炎症
無水カフェイン（75㎎）：中枢神経興奮
ビタミンB1（チアミン硝化物：25㎎）：ビタミン
アスコルビン酸カルシウム（500㎎）：ビタミン

【用法・用量】

1回2錠
1日3回

【年齢】

15歳以上

【医薬品分類】

指定第2⃣類医薬品

【してはいけないこと】

次の人は服用しないこと
出産予定日12週以内の妊婦
服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと
（眠気等があらわれることがある）

こちらは「熱からのかぜ」という名前のついたベンザブロック。

「熱から」というだけあって、解熱鎮痛薬を2種類「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」を配合しています。熱だけではなく「頭痛」や「のどの痛み」にも効果が高いシリーズとなっています。

ビタミンが2種「チアミン」「アスコルビン酸」が配合されているのは、かぜによって消耗した体力の回復を促します。

鼻、せきの成分も配合されているため、かぜ症状全般に対応可能です。

【してはいけないこと】の項目から削除されている事項があります。
それは、
　次の症状のある人。前立腺肥大による排尿困難
　次の診断を受けた人。高血圧、心臓病、甲状腺機能障害、糖尿病
などの疾患についてです。
これらは鼻水の成分が上記2品目と異なっていることにより、これらの疾患を持っている方でも服用できるようになっている点も特徴の一つです。

「イブプロフェン」を配合していることにより、「出産予定日12週以内の妊婦」は服用できないこととなっているため注意が必要です。

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ベンザブロックT　プレミアムDX：せきからのかぜ

【有効成分】

イブプロフェン（600㎎）：解熱鎮痛
ジヒドロコデインリン酸塩（24㎎）：鎮咳
dl-メチルエフェドリン（60㎎）：気管支拡張
アンブロキソール（45㎎）：去痰
d-クロルフェニラミンマレイン酸（3.5㎎）：鼻水
無水カフェイン（75㎎）：中枢神経興奮
ビタミンB1（チアミン硝化物：25㎎）：ビタミン
ビタミンB2（リボフラビン：12㎎）：ビタミン

【用法・用量】

1回2錠
1日3回

【年齢】

15歳以上

【医薬品分類】

指定第2⃣類医薬品

【してはいけないこと】

次の人は服用しないこと
出産予定日12週以内の妊婦
医療機関で次の病気の治療や医薬品の投与を受けている人。胃・十二指腸潰瘍、血液の病気、肝臓病、腎臓病、心臓病、高血圧、ジドブジン（レトロビル等）を投与中の人
服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと
（眠気等があらわれることがある）

こちらは「せき」に特化したベンザブロック。

特徴としては「ジヒドロコデインリン酸塩」を配合している点です。鎮咳薬の中では特に効果の高いコデイン類を配合しています。これが最大の特徴ですね。

解熱鎮痛薬に「イブプロフェン」を採用しており、のどの痛み・発熱にも効果が高い処方内容となっています。

こちらは「してはいけないこと」の欄に、「医療機関で次の病気の治療や医薬品の投与を受けている人。・・・」と記載がありますので、お薬選択の際には注意してください。

「イブプロフェン」を配合していることにより、「出産予定日12週以内の妊婦」は服用できないこととなっているため注意が必要です。

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症状以外での選択方法

妊婦　→　ベンザブロックS（黄色）
「イブプロフェン」を配合したいないことで、妊婦さんでも服用可能となっています。
ですが、全シリーズ共通でカフェインを含有しているため、他のかぜ薬をお勧めします。
持病のある方　→　ベンザブロックIP（青色）
持病の種類にもよりますが、服用できる範囲が広いです。

こちらはあくまで目安となりますので、購入の際には薬剤師・登録販売者に確認するようにしましょう。